肝胆膵疾患チーム-Hepatobiliary and pancreatic disease team-

チーフ

   
新田 浩幸
(にった ひろゆき)
   
教授    
     

スタッフ

片桐 弘勝
(かたぎり ひろかつ)
 梅邑 晃
(うめむら あきら)
井原 欣幸
(いはら よしゆき)
准教授 准教授 講師
      
武田 大樹
(たけだ だいき)
安藤 太郎
(あんどう たろう)
天野 怜
(あまの さとし)
助教 助教 助教
     
川島 到真
(かわしま とうま)
菊地 晃司
(きくち こうじ)
木村 拓
(きむら たく)
助教 助教 助教
     

診療の特色

 

腹腔鏡下肝切除

当科は、国内でもトップクラスの腹腔鏡下肝切除施行施設であり、国内外の肝臓外科医が多数手術見学に訪れています。現在、当科では腹腔鏡下肝切除症例数は、400を越え、腹腔鏡下肝切除の手術方法も洗練され、確実に進歩してきています。当科は肝臓内視鏡外科研究会の事務局であり、腹腔鏡下肝切除の安全な普及に尽力をつくしています。肝臓領域での内視鏡外科技術認定医育成プログラムを企画中であります。

肝移植

当科では、2007年1月より生体肝移植を開始し、2015年3月までに58例の生体肝移植(成人56例 小児2例)、5例の脳死肝移植を施行してきました。成人症例がほとんどであり、術前状態の悪い患者に対しても肝移植を希望された場合、前向きに検討しています。2013年3月時点で、当科での生体肝移植の1,3,5年生存率は、81.5%, 70.3%, 66.2%であります。当院の伝統ある肝臓内科と協力して、北東北の劇症肝炎や末期肝不全患者の救命にあたっています。

転移性肝腫瘍に対する集学的治療

大腸癌肝転移に対して、1.腹腔鏡下大腸・肝臓同時切除 2.術前化学療法後腹腔鏡下肝切除 3.多発肝転移に対する2段階腹腔鏡下肝切除など、多種多様な治療選択肢を有しています。いくつかの臨床試験の主導や、多施設臨床試験に参加して積極的に集学的治療を提供しています。当教室は、消化管領域においても鏡視下手術の手術成績が良好であり、多臓器にわたりオーダーメイドな低侵襲手術を提供しています。

胆道癌に対する血行再建を含めた拡大手術

胆道癌に対して血管合併切除を含めた拡大手術や術前門脈塞栓術を併用した拡大肝切除は、各施設でその有用性が報告されていますが、当科でも胆道癌に対して肝膵同時切除を含め、積極的に拡大手術を施行しています。肝移植における動脈再建同様に、血行再建を含めすべての手術手技を当科自前で対応しています。このことは、他施設ではあまりなく、その利点として、血行再建を厭うことなく導入できる点と、その手技の定型化による手術成績の安定があると思われます。また、リンパ節転移陽性例に対しても術後に積極的に補助化学療法を導入しています。

膵癌に対する集学的治療

膵癌に対して血管合併切除を含めた拡大手術は、これまで各施設で施行されていますが、膵癌の予後を改善してきたとは言えません。当科では、局所進行膵癌に対する化学放射線療法や、切除可能膵癌に対する術前化学療法などの臨床試験に参加し、膵癌に対して集学的治療を提供しています。膵癌術後再発症例や切除不能症例に対しても、新しいレジメンでの化学療法を提供しています。平均して年間40例以上の膵頭十二指腸切除を施行し、良好な手術成績をあげ、日本肝胆膵外科学会高度技能医を育成しています。

膵良性疾患に対する腹腔鏡下膵切除

膵良性疾患・膵良悪性境界疾患に対して積極的に腹腔鏡下膵切除を導入しています。2011年より腹腔鏡補助下膵頭十二指腸切除も導入致しました。今後、この領域の膵切除に対してロボット手術の導入も視野に入れています。